「退職します」というカードを切ってきたら、ほぼ引き止めは不可能
みなさん こんにちは おりばーです
一緒に働いていた同僚が退職する
会社勤めをしていると、こういう「会社を去る人」が出てしまうことは、今のご時世決して珍しいことではありません。
僕が今働いている会社も、新しい職場での働き方を求め、去っていく人が一定数いますが…
ただ、こういった「退職します」という人が出てから、初めて慌てふためき、喚きだして悪あがきをし始める管理職を時々見かけます
な、何とか引き止められる方法はないだろうか?(ガクブル)
基本的に、僕は「退職します」と切り出された時点で、ほぼ引き止めは不可能」だと思っています。
今日は、「退職を切り出されたら、引き止めは不可能」という件について、語っていこうと思います。
この記事を読むと、こんなことが分かる
- 「退職します」と切り出されたら、ほぼ引き止めは不可能
- 「退職する」原因や兆候は必ずあった
- 「退職」というカードが切られる前に、事前予防をしよう
「退職します」と部下に切り出され、悪あがきで引き止めようとする管理職
僕が今働いている会社でも、また以前勤めていた会社でもそうなのですが…。
会社を辞めていく人間と言うのは、一定数いるものです。
しょせん、会社というのは「仕事という目的のために人を集めて作った組織」です。
自分にそぐわないなと思ってその組織を去り、新しいことを始めようと考える人が出るのは、至極仕方がないことなのです。
いわば、自然の摂理に近いところがある。
ただ、「退職します」と部下に切り出されてから、初めて慌てふためいたり、喚きだして悪あがきをし始める管理職を時々見かけます。
「退職します」と部下に切り出され、突然慌てて悪あがきする管理職
例えば、僕が以前働いていた会社の上司(仮にS田さんとします)が、部下(僕にとっては後輩)から辞めると切り出されたとき、こんなことを呟いていました。
部下から退職を切り出されたときの、S田さんのつぶやき
・〇〇さんが辞めるなんて… 思いもしなかった 一体何がイヤだというのだ さっぱり分からない
・何か退職を踏みとどまってくれる、逆転の一手はないものだろうか?
・悪いところ、気に入らないことがあったら改善する
色々な退職に関する状況を、僕も色々見聞きしてきましたが…
退職者が出た時に、見苦しく悪あがきをする管理職に限って、こういうよくわからないことを呟いている傾向があるように思います。
「青天の霹靂」みたいな顔しているけど、「退職する」原因や兆候はあった
上記のS田さんは、「退職します」と部下に切り出されて、さも「青天の霹靂」みたいな態度をしていましたけど…
僕から言わせると
この部下が、退職する予兆はちらほらあったし、この組織を思わず見限りたくなるような接し方や向き合い方を、普段から十分すぎるくらいしてたんです。
原因大アリなんですよ。
S田さんは、普段から部下にこんなことをしていました。
・「業務で今回らないから何とかならないか?」…と相談と部下から持ち掛けても「仕事なんだから甘えるな」の正論を吐くばかり。
部下の声をまるで聴こうともしていなかった
・何か問題が発生しても、自分は矢面に立たず部下だけに責任を擦り付ける
酷な言い方ですが、自業自得としか言いようがない。
想像力が欠如しすぎだろ
退職を切り出された後に、「なんとか改善するから」という大悪手
そして、退職を切り出されてから、なんとか「改善するから考え直してくれ」というのも、非常に滑稽で悪手だと思います。
どうせ改善なんてできないし、心の底から「改善しよう」なんて微塵も思っていないから、退職を切り出した方としては、まったく信用できないんです。
あくまで、その人が辞められると時分が困るから、自分の評価が下がるから…仕方なく改善する素振りをしているだけと見抜かれてるんですよね。
例えるなら、「さんざん暴力やモラハラを働いていたクズ彼氏が、彼女から別れ話を切り出され、見苦しくすがっている光景」と何ら変わりません
悪いところがあるなら直すから、別れるなんて言わないでくれよ! オレ、お前いないと生きていけない
さんざん酷い仕打ちをしていたんだから、別れたくなるのは当然ですし、別れ話を切り出されてから、初めて「悪いところがあるなら直すから」なんて信用できないですよね。
こういう輩は、心の底から「申し訳ない、改善したい」とは思っていないし、いずれまた同じことを繰り返すからです。
「退職します」と部下に切り出された時点で、説得はほぼ不可能
僕が思うに、部下が「退職」というカードを切ってきた時点で、説得はほぼ不可能です。
部下にとっても、「所属している会社を辞める」というのは非常に大きな決断です。
決して生半可な軽い気持ちで退職を切り出し、転職しようとしているわけではない。
熟考したうえで決断し、覚悟をもって「退職」を申し出てきているわけですから、それを覆すのは、ほぼ無理に等しい。
また、「悪いところや気にいらないところがあるなら、改善するから」と持ち掛けるのも、あまり効果がないと思います。
「それができるなら、なぜ最初っからやらなかったんだ 辞められるのがイヤだから仕方なくやっているんだろ」と、逆に不信感を抱かれてしまいかねません。
それに、「どうせ引き止めるための口約束で、環境や待遇が改善されることなんてないな」…と見切りをつけられていることがほとんどです。
待遇の改善に応じたら、その部下と同じ階級で働いている人の待遇も改善しないといけなくなりますから、そう簡単に改善はできないはずですからね。
改善は期待できない。
今の環境では改善も見込めないから、部下は新境地を求めて退職していくわけです。
「退職」というカードを切ってきた…
それは遊戯王でいう『封印されしエグゾディア」を出してきたのと同等であり、勝負はそこで決まってしまうのです
引用『遊戯王』
「退職」というフィニッシュカードを切ってきた部下を、ヘタに引き止めをするのは効果がないし、ほぼ手遅れ。
引き止めが不可能な部下を説得することに躍起になって、労力を費やしすぎるのは極めて非効率。
連鎖的に退職者がこれ以上出ないように、環境を整えたり、残った人間をケアしたり、新しい人材確保に取り組んだりした方が、よほど建設的というものです。
「退職します」と部下に切り出される前に、事前予防が大事
以上のことから、「退職」を切り出されてから手を講じるのではなく、むしろ「退職」を切り出される前に、事前の予防が大事だと思います。
そもそも「退職」したいと思われてしまうような環境にするなってことです。
病気もそうですが、「病気になってから慌てて投薬や手術をする」…といった対処療法ではなく、「そもそも病気にならないように予防すること」が大切ですからね。
待遇を良くするとか、仕事の内容を変えるといったハード的なものはすぐに改善するのは難しいと思います。
なので、事前予防として、すぐに実践できて効果的だと思うものを挙げてみました。
事前予防①:部下の様子を気に掛ける
自分の仕事が忙しいのは分かりますが、部下の様子をどれだけ気にかけているでしょうか? そもそも、知ろうとしていますか?
こういうことをまったく気にかけず、知ろうともせず見て見ぬふりをしていると、部下の様子が分からず「突然退職を切り出された」…という事態に陥ります。
時々、他愛もない話をしながら、部下がどんな様子なのか?どんなことに困っている?
こういう話を普段から良くして、関係性を築いておくことが重要だと思います。
部下の様子から、退職をしようと考えている旨を、一早く察知できるかもしれません。
そして、困っている事や悩んでいる事を聞き出し、部下の障壁になっているものを、少しでもなくせるように働きかけているか?努力してくれているか?
そういう姿勢を見せることも大切です。
事前予防②:部下の話を聞く
部下の話をよく聞きましょう。たとえ、それが不平不満の類だったとしても…です。
不平不満を、「仕事なんだから」「やるのが当たり前だから」の正論で片づけて飲み込ませている人がいますが、正論は、便利な反面使い方が非常に難しい諸刃の剣です。
その場では飲み込ませて、事なきを得られますが、その不満は消えることなくその部下の中でくすぶり続け、「環境を変えるしかない」という極端な決断に至らせてしまうのです。
それに、不平不満の裏にはその人の本心や本音が隠れているもの。
退職を決意する原因になりうる要因とその対策を、事前に察知できるかもしれません。
事前予防③:部下がやっている仕事は、意味があることだと伝え感謝する
部下がやっている仕事にはちゃんと意味があること、感謝の気持ちをちゃんと伝えていますか?
そう思っているんだとしたら、それは大きな間違いです
自分で意味を感じない仕事をやったり、やってても誰からも感謝すらされない状況が続くと、部下の心は段々と死んでいき、「この組織で頑張りたい」という気持ちが失せていくものです。
・今やってもらってる仕事は、こういうことにつながるから意味や重要性がある
・〇〇さんがやってくれたことで、助かっている人が居る
こういうことを都度伝える/伝えないかで、部下がその組織でこれからも頑張りたいと思うかどうかが、大きく変わるんじゃないでしょうか?
ここに挙げているのは、真新しい特別な方法ではありません。
ごくごく当たり前の事。
ですが、こういった当たり前のことを蔑ろにして出来ていないから、組織を見限って退職してしまう人が増えてるんじゃないでしょうか?
そして、退職の事前察知ができずに、突然「退職」を切り出されたかのうように感じ、慌てふためいているというのが、事実ではないでしょうか?
こういうことを普段からやってくれていたら、部下も退職をするという決断までには至らなかったかもしれません。
現に、上記した部下に退職を切り出された上司S田さんも、この事前予防が全くと言っていいほど出来ていなかった気がします。
「退職します」と部下に切り出されるのは、部下の心を大事にしていないから
結局のところ、この話は普段から「部下の心を大事にしているか?」に行きつくと思うんです。
以前、僕は「辞める人、ぶら下がる人、潰れる人」 さて、どうする?という本を読みました
この本曰く、生産性が低く人が定着しない企業の多くは、労働者のマイナスの感情(ネガティブ)が蓄積していて、上層部や管理職が社員の心(ココロ)に関心を持たず、ちゃんと向き合っていないのだとか。
社員の心(ココロ)に関心を持っている経営・人事・管理職が少ない会社であればあるほど、マイナス感情が蓄積しています。
そして、人に関心を持ちマイナス感情を生み出す課題を見つけたとしても、それを解消する施策を考える際、「相手がどのような感情を持つのか」想像できないと的外れの施策を行ってしまい、新たなマイナス感情を生み出してしまう可能性があります。
「社員のためにこの施策をやったのに、なんで喜ばないのか」
「何をやっても社員がマイナスに捉えて困る」
…といった発言になっているのが、想像力の欠如です。
結局、人間は感情・ココロがある生き物なので、仕事のためとは言えそれを蔑ろにしちゃいかんということです。
僕も色々な会社で働いたことがありますが、業務遂行・目標達成・効率化の大義名分をいいことに、働いているこちらの心(ココロ)を蔑ろにされた場面というのは、何度も経験しました。
会社にとって、利益を出すことはもちろん大事。
でも、その利益は誰が生み出しているのかというと、我々従業員なわけです。
そんな従業員にも心(ココロ)があり、それを蔑ろにされたら
…って思うのは、至極当然です。
退職というカードを切られないようにするには、まずは人の心(ココロ)を軽んじないようにすることが大切なんじゃないかと。
結局のところ、仕事は「人」で回っているのですから。
まとめ
・「退職します」と部下に切り出されてから、初めて慌てふためいたり、喚きだして悪あがきをし始める管理職
⇒「退職」を切り出された段階で、引き止めはほぼ不可能である
・退職というカードが切られる前に、事前予防すべし
・部下が退職する/しないは、結局のところ、管理職が部下の心を大切にしているか?が大きい
退職者が出てしまう… それはある程度仕方がないことです。
部下から「退職したいと」切り出されたときに、引き止めたくなってしまう気持ちも良くわかる。
ですが、「退職」というカードが切られてしまったら、ほぼ引き止めは不可能です。
そして「退職したくなってしまう環境にしない」という、事前予防が大切ですよね。
退職者が増えないように、管理職の人には頑張っていただきたいところです。
それでは、本日はここまで
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以前、読んだ「辞める人、ぶら下がる人、潰れる人」 さて、どうする?という本は、そのあたりのヒントがたくさん詰まっていると思います。
部下を抱える人には、是非読んでほしい内容が詰まっていますので、よかったら参考にしてみてください。
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