みなさん こんにちは おりばーです
少し前、勤め先の会社で同僚の方がメンタル不調(うつ)になってしまい、休職することになりました。
メンタルを悪くし、しばらく休職をすることになった旨が、上長から部内に伝えられたのですが…
それを聞いた同僚の方が、こんなことをポツリとつぶやいたのです。
それを聞いた僕は、「それは違うし、そんなことは言わない方がいいよ」…と憤りを感じました。
今日の記事は、そういう「うつ」に対する認知に対して、少し物申す内容になっています。
「うつ病は心がが弱い人がなる病気」だという認識を、改めてもらえるきっかけになればと思います
「うつは心の弱い人がなるもの」という考え
「うつは心の弱い人がなるもの」
悲しいかな、こういう考えの人も多いのが現実かと思います。
こういう考えに対し、僕は3つのことを言いたい。
①心が弱いから「うつ」になるわけではない
誤解している人がいるのですが、うつ病はれっきとした「病気」なのです。
「脳の異常で脳内物質が出なくなる」、脳の機能不全なんですよ。
人間、どこかが病気になれば、身体がまともに機能しなくなります。
「心臓」が上手く動かなくなり、血液が循環しなくなれば「心不全」
「肝臓」の機能が落ち、上手く解毒が出来なければ「肝不全」
こういった病気になった場合、手術や投薬、治療が必要ですよね。
誰だってそうする 僕だってそうする。
ところが不思議なもので、「うつ」も正真正銘な脳の病気にも関わらず、未だに世間では理解されないことが多いのが現状なのです。
そして、周囲の人にも、心無いことを言われてしまうこともあります。
「うつ」になってしまった人に対する、ヒドイ意見
- うつは心が弱い人がなる病気
- うつになるなんて弱っちい
- 情けない奴 甘えるな みんな我慢してるんだよ
でも、うつ病の発症する/しないは、「心の強い/弱い」という単純な二元論ではないと僕は思います。
そして、色々な精神科医の見解や研究結果でも、心の強さと「うつ」の間に相関はないことが、少しずつ明らかになってきています。
もし心の強さが関係しているのであれば、下記のアスリートの方々がうつ病になってしまった理由に、説明がつかないですよね。
うつを公表したアスリート
- 大阪なおみ選手(プロテニスプレイヤー)
- 清原和博選手(プロ野球選手)
- 武尊選手(プロ格闘家)
- マイケル・フェルプス(競泳金メダリスト)
この人たちは、我々常人よりもハードな練習・トレーニングに耐え、試合のプレッシャーや自分自身に打ち勝ってきた人たちです。
そんな人が精神的に弱いわけがない。
また、僕が社会人になりたての時、お世話になった管理職の方がいたのですが…
その方も別の部署に異動になってしばらくして、うつ病になってしまいました。
その人は、明るく細かいことなんか気にしない、ストレスを溜めない性格の豪胆な方でした。
そして、長い会社生活の中で、とんでもない数の修羅場をくぐってきた人だと聞きます。
でも、そんな人でも環境の変化で精神的に参ってしまい、うつで休職してしまうことだってあるんです。
このように、精神的に弱いはずがないプロのアスリートや、ストレスを溜めにくい豪胆な性格で強い人…
そんな人でも、「うつ」になってしまうケースを、僕は何人も目の当たりにしてきました。
なので、「うつになる人=心が弱い人」という関係性は、決して成り立たないと僕は考えています。
②「自分がうつ病になるわけがない」と思っている人が、うつ病になる確率は高い
「自分がうつになるわけがない」 こう思っている人は決して少なくないと思います。
少なくとも、「うつは弱い人がなるもの」と認識していて、うつになった人を冷ややかな目で見ている人たちは、「絶対に自分はうつになんかならない」と思っているフシがある。
では、「自分はうつにならない」と思っていたのに、実際なってしまう確率ってどれくらいでしょうか?
・うつになってしまう人の確率は15人に1人
・うつになってしまった人のうち、最初「自分がうつになると思わなかった」思う人は、6割
引用 何かの調査結果
計算してみよう
仮に、100人の人がいたとして…
・100÷15 = 6.67人 (100人中うつになってしまう人の割合)
・6.67人×0.6 = 4人(100人中、うつになり「最初、自分がなると思ってなかった人」の割合)
⇒つまり、100人中に4人 (25人に1人)が、「最初は、まさか自分がなると思ってなかった」のに、「うつ」になってしまう計算にならないかい?
この「うつ」になってしまう確率は、あくまでも「精神科、心療内科」の医師の診断を受け、キチンと「うつ」と判定された人の数を集計したものです。
潜在的には、すでにうつになりかけてしまっている人、何かしらの心の不調を抱えていて、治療が必要な人は、もっともっと多いと考えられます。
誰が、何時「うつ」になっても、おかしくないと思いませんか?
なので、「自分はうつにならない」なんて、楽観視できるものではないと認識するべきです。
引用「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風」
③「うつは弱い人がなるもの」と思っていると、うつになった時に重症化する
「うつは弱い人がなる病気」
「うつになってしまうのは、情けない人」
こういう風に思っている(いた)人に限って、実際にうつになってしまうと重症化し、治りも遅くなる傾向があると言います。
なぜか?
その理由は、「うつは弱い人がなるもの」と、いわば見下して蔑んでいた人と同類になってしまい、その現実がなかなか受け入れられないから。
例えば、うつの初期症状として、「何もする気になれない、眠れない、頭が回らない」といった異変が出始めます。
でも、こういう「うつは弱い人がなるもの」」信者の人たちは、身体の異変が出ていることに、うすうす気が付いているにもかかわらず、そのアラートを見て見ぬふりをします
何の対処もせずに、精神論や我慢で耐えようとしてしまう。
こんな考え方で、身体からのアラートを見て見ぬフリをしていない?
「自分が弱いからそう感じるんだ」
「こんなことで音を上げては情けない」
「弱い人」「情けない奴」と見下していた人たちと、同じになりたくないんですよね。
…で、そのまま耐え続けて、ある日やっぱり突然限界が訪れ、重度のうつ病にまで進行していた…
こういう取り返しのつかない事態になってしまうんです。
うつ病になってしまった場合、なるべく早期の段階での医師の診断と、治療が重要です。
そのためには、今の自分の状況や感情を認め、受け入れつつ、プロのサポートを受けるながら治療を根気よく続けていくほかありません。
でも、「うつは弱い人がなるもの」と考えていた人は、今の自分の状況や感情を、なかなか受け入れることができません。
「自分がさんざん弱いと蔑んでいた人と、実は自分も同じだった」と、認めることになってしまうからです。
なので、まだ全然治っていないのに、無理に病気になる前と同じペース、やり方で働こう/生きようとしてしまう。
結果、またメンタル状態が悪化し、うつになって…の悪循環を繰り返してしまうことになります。
うつになった時に、大切な考え方
・まだ軽い状態のときに、うつになってしまった事実を認めること。
・今の自分を現実を受け入れつつ認め、治療と休養をすること。
これがとても大事。
「うつは弱い人がなるもの」という考えは、うつの早期発見や治療の足かせにしかなりません。
「うつは心の弱い人がなるもの」という認識を改めよう
①「うつ」は心の弱い人がなるわけではない
②「自分がうつ病になるわけない」と思っている人が、うつ病になる確率は高い
③「うつは弱い人がなるもの」と思っていると、うつになった時に重症化する
上記三つの理由から、「うつは心の弱い人がなるもの」という認識を、改めていかないといけないと僕は考えています。
こういう考え、「誰得?のみんなが不幸になっちゃう考え方」なんです。
うつになって苦しんでいるご本人
「うつは弱い人がなるもの」
「自分が弱い人と思われたくない/認めたくない」
こういう意識が働き、なかなか周囲に打ち明けられない、心療内科の診察を受けない…
こういう人もいると思います
わかる すごいわかる。気持ちは。僕もなったことあるから。
でも、「うつになる=弱い人」なんていうのは、間違った認知です。
心の強い/弱いは関係ないです。
れっきとした病気だから、かかる時はかかるんです。
心身に不調が出たら、迷わず周りに相談し、早めに専門家の治療を受けましょう。
しっかり休養しましょう。
その方が、はるかに治りが早いし、時間もお金もかからなくて済みます。
そっちの方が、長期的に見たら成せることも結果的に多いんじゃないでしょうか?
うつが理解できない人 周りにうつになってしまった方がいる人
・うつは心の弱い人がなる病気
・うつになる人は情けない
こういう心無いことを、うつで苦しんでいる人に言ったり、心の中で思ったりしていませんか?
おそらくそれは、自分がなったことがないから、出来るんだと思います。
誰だって、経験が無いことに対しては理解できないし、辛さは分からないものです。
でも、やめましょう そういう心無いことをするのは。
「うつ」は確率的にも誰でもなる可能性のある、立派な病気です。
そして、それはとても苦しく、辛く、シャレにならない病気です。
なった経験がないのであれば、辛さを少しだけでも想像してみてください。
「うつになった本人が一番ツライし、治そうと頑張ってい」…という理解をしていただけたらと思います。
そして、自分だって、いつその「うつ」になるか分からないですよ。
そういう考えの人が、実際に「うつ」になってしまった場合…
自分や現実を受け入れられなくなり、重症化してなかなか治療が進みません。
最悪「自分が弱いと思っていた人」よりも、症状が重くなり治療に時間を要してしまい、まともに生活や仕事ができなくなる可能性だってあります。
自分が「うつ」になったときに、重篤化させずに早めに対処できるようになるためにも、「うつは心の弱い人がなる」という誤った認知は持たないようにしてほしいと思います。
「うつ」についての認知を深めるために、役立つ本を紹介します
まとめ
まとめ
「うつは心の弱い人がなる病気」に対して、物申したい
①「うつ」は心の弱い人がなるわけではない
②「自分がうつ病になるわけがない」と思っている人が、うつ病になる確率は高い
③「うつは弱い人がなるもの」と思っていると、うつになった時に重症化する
⇒こういう考えは、誰得?でみんなが不幸になるから、直ちにやめるべし
メンタルヘルスの認識を改める、きっかけになってくれればうれしいです。
それでは、本日はここまで
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