書評代第二弾です
みなさん、こんにちは おりばーです。
「もっと賢くなりたい」
「なんて自分はバカなんだろうか」
誰しも、こんなことを一度は考えたことはありませんか?
いつも考えてしまい、自己嫌悪気味な毎日です
今日は、そんな「賢くなりたい」と思っている人に、ピッタリの1冊をご紹介したいと思います。
谷川祐基さん著:「賢さをつくる」です。
「賢さをつくる」を読もうと思ったキッカケ
この本を読もうとしたキッカケは、冒頭でも言いましたが「自分の頭の悪さ加減にイヤになることが多いから」でした。
僕は、数か月前転職して新しい職場で働いているのですが…
まぁ 色々と分からなかったり勘違いしてしまったりすることが多く、業務に支障がでることが多いんですよね。
会話の意味が全然分からなかったり、トンチンカンな発言をして変な空気になっちゃったり…。結構ヤバい感じです。
そのたびに思うわけですよ
…と
ただ、もう40歳近くなって、今さら頭の良さは変えることはできないだろうし、このまま生きていくしかないのかなぁと、半分あきらめの境地にもなっていたんですよね。
そんな時、たまたま見ていたYouTubeの読書解説動画で、この本が取り上げられていて、気になってポチって読んでみました。
これは、是非読んでみたいですね
「賢さをつくる」を読んだ感想
この本を読んでみた感想ですが…
「おぉ これで頭が良くなったこと、間違いなしだぜ!
オレは今、究極のパワーを手に入れたのだ!フハハハハ!」
…みたいな、ドラゴンボールのピッコロのような境地には、残念ながら至れなかったです。
引用:『DRAGON BALL 25巻』
ただ、僕がこの本を読んで感じたのは、「頭が良いというのは、一体どういう状態のことを指すのか?」ということを、改めて認識し直すきっかけになったということ。
そして、それを意識してこれからの生活の中でトレーニングを積み重ねていけば、必ず賢くなれると確信できたということです。
賢さについての正しい認識をまずは持つことが、賢さへの近道だと思うので、読んでよかった本だと言えます。
…と疑問に思ったり、
こう考えて悶々としている人は、一度読んでみることをお勧めいたします。
「賢さをつくる」を読んで勉強になったポイント
それでは、この「賢さをつくる」を読んで、僕がポイントだと思ったことを解説していきます。
①「頭が良い」とは、どういうことか?
まず最初に、いきなりこの本のキモと思われるところを解説します。
頭が良いということの定義づけ
「頭がよい人のイメージとはどんなものか?」
「どういう人を指すのか?」
この定義の質問を小学生、中学生、高校生、大学生、社会人…色々な人に聞いてみるとします。そうすると各フェーズの人でその定義がまったく違ってきます。
「頭の良い人」のイメージ | ||||
小学生 | 中学生 | 高校生 | 大学生 | 社会人 |
インプット重視 | アウトプット重視 | |||
・テストでいい点が取れる | ・自分の考えを持つ | ・発想力がある | ||
・飲み込みが早く、理解力が高い | ・頭の回転が速い | ・効率的 | ||
・色々なことを知っている | ・論理的である(理路整然) | ・判断力がある | ||
・機転が利く | ・説明が上手い | |||
・売り上げを上げる | ||||
・新しいものを発明、企画する |
ただ、この一見バラバラに見える定義も、よく観察すると明確な傾向があります。
それは、学校ではインプット力が重視され、社会に出るとアウトプット力が重視されていく傾向があるということです。
学生の頃(特に年次が低いほど)は、「知識量が多い」「理解力が高い」「呑み込みが早い」というインプットする能力が頭の良さと定義されます。
一方、大人になって社会人になってからは?というと、「発想が豊かで柔軟性がある」「説明するのが上手い」「行動が早い「判断力がある」といった、アウトプットする能力を持っている人の方が「頭が良い」とされます。
そう…学校と社会では、求められる頭の良さの「方向」が違うのです。
頭の働きに、2つの「方向」があるということは、皆さん結構認識しておらず、見落とされがちだがとても重要なことだと著者は言います。
この2つの頭の良さの方向がセットになることで、価値を生み出していくのです。
例えば、「学校の勉強ができても、社会では何の役に立たない」というのは、考えてみれば至極当たり前のことだったんですね
なぜなら、学校で求められるのはインプット力であり、社会で求められるのはその逆のアウトプット力だから。
ただ、「それなら、アウトプット力だけ高めてたら、社会人になってからは特に問題ないのでは?」と思われるかもしれません。
ですが、質の良いアウトプットをするためには、それ相応の良質なインプットが必要になります。
インプットが不十分な状態でアウトプットしても、それは底が浅く薄っぺらいアウトプットになってしまう。
賢くなるためには、このインプット力とアウトプット力を、バランスよく持ち合わせていないといけないということです。
②インプット力は抽象化能力 アウトプット力は具体化能力
もう少しこのインプット力、アウトプット力について踏み込んでみます。
このインプット力とアウトプット力は、下記のように言い換えることもできます。
インプット力=「抽象化能力」
アウトプット力=「具体化能力」
「抽象」と「具体」という言葉は、良く聞く言葉です。
ただ、「抽象」については、よくわかっていない人も少なくないと思います。
それもそのはず、「抽象」はよく「わからない」とセットで使われる言葉だからです。
こんな感じで使われること、多くないですか?
ここで、「抽象と具体」をより理解するために「抽象度」という言葉を、お菓子の例で説明します。
情報の抽象度
情報の抽象度 | |||
具体 | 抽象 | ||
← | → | ||
カントリーマァム | クッキー | 洋菓子 | お菓子 |
例えば、あなたは「お菓子」と聞いて、どんなものを思い浮かべましたか?
焼き菓子、チョコレート、キャンディ、大福、羊羹など、お菓子と言っても色々な種類がありますよね。
ここで、もし「お菓子」と聞いて「クッキー」を連想したのであれば、それはお菓子からクッキーに抽象度を下げたことになります。
さらに、「クッキー」にも色々とありますが、お菓子と聞いて「カントリーマァム」という商品を思い浮かべたとします。
それは、お菓子を具体化したクッキーという情報を、さらに「カントリーマアム」という情報に具体化したことになります。
このようにして、「お菓子」から「カントリーマアム」までの試行を至らせるプロセスが「具体化」で、その逆が「抽象化」です
そして、一言で言い表せる範囲が広いほど「情報の抽象度が高い」といい、逆に範囲が狭くて明確なほど「情報の抽象度が低い」と言えます。
人間の頭脳にはこの抽象度をコントロールする力が備わっているのです。
インプット=抽象化、アウトプット=具体化となぜ結びつくか?
それでは、インプットとアウトプットが、抽象化と具体化になぜ結びつくのでしょうか?
インプットとはよく何かを覚えることを指しますが、何かを覚えるのが得意な人というのは、実は暗記をしているわけではなく、実は物事の概要を「抽象化」するのが上手い人なのです。
具体的な知識や情報を受け取った際、それをそのまま丸暗記するのではなく、抽象度の高い 概念にまとめあげている。
そして、知識のピースを整理し体系化し、より抽象度の高い概念にまとめていくことでインプット効率を上げているのです。
逆に、アウトプットとは抽象化されたある事象から、具体的な事例や要素を抽出して落とし込んだり、分かりにくいことを何かの具体例に例えたりすることを指します。
アイディアを出すのが上手い人というのがいますが、それは、生まれつき脳の構造が違うわけではなく、過去のヒットアイディア売れる法則を導き出し、新しい具体的アイディアに落とし込んでいることをやっています。
また、説明が上手い人とは、誰もが知っている具体的な事象に例えて説明することに長けている人です。抽象的でふわっとしていることを、具体的にすることをやっているのです。
このようにインプット=抽象化する能力、アウトプット=具体化する能力と言い換えることが出来ます。
この両方の能力がバランスよく機能することで、我々人間の脳は真価を発揮するのです。
③頭のいい人とは、具体⇔抽象の往復運動神経がいい人
そして、頭のいい人とは、この具体⇔抽象の往復運動神経がいい人を指します
そして、この往復運動には3種類あります。
3つの往復運動神経が良い人が、「頭のいい人」
1.具体と抽象の距離が長い
⇒幅広く、深い選択肢をたくさん考えることが出来る
2.具体化と抽象化のスピードが速い
⇒具体的な質問に対し、短時間で本質や全体、概要を考えてから回答する
3.具体化と抽象化の回数が多い
⇒何度も具体化領域で検証し、「抽象化」を洗礼している。
この3つの運動が優れている人のことを、「頭のいい人」というのです。
④具体化と抽象化を自由自在に行き来する
頭を良くするには、この「具体」と「抽象」の行き来の3つの要素を自在に行き来できるように、鍛える必要があります。
賢くなるためには、具体と抽象の行き来の
距離を長くする
スピードを速くする
回数を多くする
では、この3つの要素を鍛えるためには、どうすればいいのでしょうか?
それは抽象度を変える「質問」を自分にし続けることです。
この抽象度を変える質問はいくつかあるので、それを紹介していきます
基本質問ワード:5W1H
5W1Hは、結構有名で一度は聞いたことがあると思います。
具体⇔抽象の行き来をするのに、一番簡単で、汎用性が高いのは5W1Hの質問です。
具体⇔抽象の行き来する、5W1Hの質問 | |
When | いつ |
Where | どこで |
What | 何を |
Who | 誰が |
Why | なぜ |
How | どのように/どれくらい |
この5W1Hのうち、
5Wが「具体の方向」に抽象度を変える質問
1Hが「抽象の方向」に抽象度を変える質問
になっています
殆どの人は、思考に得意な方向と不得意な方向があり、いつも片方しか考えていない偏った状態になっています。
普段使っていない方向を、あえて意識して使ってみることで、思考力が鍛えられ、良いアイデアや行動が生まれることが期待できるのです。
他にも、抽象化⇔具体化を行き来する質問がいくつかあるのでご紹介します。
抽象化の質問ワード①:「なぜ?」
上記した5W1Hにも入っていますが、「なぜ?」は最も単純、かつ強力な抽象化するための質問になります
「なぜ」と問いかけることで、物事を深く本質的に理解することができます。
抽象化の質問ワード②:「要するに?」「まとめると?」「つまり?」
これは、物事を要約する時に使う質問です (つまり抽象化するということ)
重要で大切なところ、キモになるところを抽出するために使います
抽象化の質問ワード③:「本当は?」
「本当はどうなの」「本当にそうなの」は、物事の裏側の本質を問うために使う質問です。
抽象化の質問ワード④:「目的は?」
本来の目的を確認するための言葉です
我々は、つい手段が目的化して、本来の目的を見失ってしまうことが往々にしてあります。
目的を確認して、問い直すことはとても大切なことです。
抽象化の質問ワード⑤:「そもそも?」
目的や理由、経緯を確認したり、本質を問うための言葉です。
ただし、これらの抽象の方向に移動する質問は、強力であるが故に、使いどころや取扱い方を間違えると人間関係の軋轢のキッカケにもなるので注意が必要です
たとえば①の「なぜ?」は、やりすぎると人を追い詰めかねないですし、⑤の「そもそも」は具体的な話に進めず、話し合いや議論をひっくり返しかねない。
言われてみれば、こういう質問を周囲の人に投げかけ困惑させる、ちょっと迷惑でウザい人っていませんか?
賢くなるため、よく考えるために質問をするのは良いことですが、あまり周りの人にやりすぎて、嫌われてしまってはあまりにももったいない。
もし他人に使う時は、言い方や伝え方に細心の注意をはらいましょう
具体化の質問ワード①:4W1H
具体化する質問の中では、4W1H(「 い つ?」「 どこ で?」「 だれ が?」「 なに を?」「 どの よう に?/ どれ くらい?」)が、馴染みがあって使いやすく、汎用性が高い質問ワードです。
具体化の質問ワード②:「例えば?」
この「例えば?」という質問も、具体化するのに強力で便利です。
より具体的に、分かりやすく、対象を絞ることができます。
具体化の質問ワード③:TPO(時と場合による)
主張や理論が対立した際に有効な質問です。
TPOとは「時と場合」のことを指します。
T…Time(時間)
P…Place(場所)
O…Occasion(場合)
物事には時として、単純な白黒で分けられないこともあります。
例えば、「テレワークを導入することで、効率は上がるか」みたいなテーマがあった場合…
この答えはまさしく「時と場合による」となります。
何故なら、効率が上がるかどうか?はその人の「仕事内容、特性や性格、作業環境、通勤手段や通勤時間」などで変わるため、一概にテレワークを導入したら効率化になるなんていえません。
まさしくTPOによるんです。
物事の白黒は、TPOによって変わるということなので、 どんな時/どんな場合に白になり、どんな時/どんな場合に黒になるか?を議論する必要があります。
これらの質問ワードは、そのもの自体は知っていても、頭を良くするための具体⇔抽象を行き来するための質問として、意識して使ったことはあまりないんじゃないでしょうか?
これらの質問を自分に投げかけ、「具体」と「抽象」を行ったり来たりして、その距離・スピード・回数を増やしていく…
このトレーニングを積み重ねることで、思考力が高まり「賢い」人になれるのです。
質問の一覧をまとめてみたので、頭に入れて普段の生活で意識して使ってみてください!
具体⇔抽象を行き来するための質問ワード | |||
具体 | 抽象 | ||
← | → | ||
①4W1H When Where Who What How to (いつ どこで だれが なにを どのように) |
①1W Why (なぜ) |
||
②例えば? | ②要するに? まとめると? つまり? | ||
③TPO(時と場合) | ③本当は? |
||
④目的は? |
|||
⑤そもそも? |
まとめ
・「賢さをつくる」を読んだ感想
【ポイント】
・頭の働きには、2つの「方向」がある インプットとアウトプット
・インプット=抽象化する能力、アウトプット=具体化する能力
・頭のいい人は、インプット(抽象化)とアウトプット(具体化)の往復運動が良い人
・往復運動が良い人=具体⇔抽象の往復運動が長く、早く、多い人
・この3つの往復運動の要素を鍛えるためには、抽象度を変える「質問」を自分にし続けることが大切
例)
インプット…5W1H、例えば、TPO etc…
アウトプット…1W,要するに,目的は etc…
この本を読んだからと言って、すぐに賢さが手に入るわけではありません。
ここに書いてあることを念頭に置き、普段から地道な努力をする必要があります。
ですが、「頭のいい人」の定義をしっかりと見つめ直し、抽象度を変える質問を自分にし続けていれば、頭はよくなっていくんじゃないかという、妙な確信めいたものがありました。
この本には、他にもインプットとアウトプットに関しての考え方や他の実例などが詳しく書かれていて、頭が良いということはどういうことか?を、より深く理解することが出来る本になっています。
是非読んでみてください!
いやいや 今からでも遅くないはず! 頑張って賢くなっちゃいましょう!
それでは、本日はここまで
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