「自分がいなくてなっても、会社は回る」 それが会社というもの
みなさん こんにちは おりばーです
辞めたい気持ちはあるけど、自分が辞めると「会社や仕事が回らなくなってしまう」ことを危惧し、なかなか会社を辞める踏ん切りがつかない…
こういう考えをお持ちの方を、見かけることがあります。
責任感が強く、とても立派な考えをお持ちの人格者なんだと思います。
そして、僕も会社を自分の都合で辞めたことがあるので、そういう気持ちを抱いてしまう気持ちも、すごくよくわかるんですよ。
でも、自分が辞めると「会社や仕事が回らなくなってしまう」なんていうのは、やっぱり自意識過剰の思い込みだ・・・と再認識させられたある出来事がありました。
今回は、そんな出来事を振り返りつつ、自分が辞めると「会社や仕事が回らなくなってしまう」というのは自意識過剰な幻想だということを意見する内容の記事になっております。
この記事を読むと、こんなことが分かる
- 「自分が辞めたら会社(仕事)が回らなくなる」というのは大嘘 ⇒辞められたら困る会社側からの刷り込み
- 辞める会社のことなんか気にせず、自分の人生を優先しよう
「自分が会社を辞めたら、会社が回らなくなってしまう」のが、大ウソだと思った話
前の会社の同僚から、連絡があった
2021年の終わりごろ、僕は10年近く勤めた会社を退職しました。
仕事の内容や人間関係、待遇的な問題や勤務地のことなどを総合的に考慮しての決断でした。(詳しくはこちらの記事をご覧いただければと思います)
2023年2月現在、前の会社を去ってから1年ちょっと経過したわけですが…
すこし前、前の会社の同僚の方から、ラインで連絡がありました。
辞めた後、僕が元気にやっているのか? 気にかけてくれたのでしょう。
色々とお互いの近況をラインでやり取りしていたのですが、僕はふと自分のやっていた仕事が、今はどうなっているのかが気になり、それとなくこの元・同僚の方に聞いてみたんですよ。
そうしたら、こんな返事が来たんです
あ~、あの〇〇〇のことかい?
あれね、おりばーくんが居なくなった後、誰もやる人いないからそのまま凍結されて、消滅したよ
僕は、この元・同僚の方の話を聞いて、ある感情が芽生えました
「自分が曲がりなりにも一生懸命対応していたテーマが、誰にも引き継がれずに消滅してしまったことが悲しかった」…という気持ちではありません。
僕が感じたのは、前の会社に対する呆れと憤りに近い感情でした。
「超重要で遅れが許されない仕事」と煽っておきながら、僕が居なくなったとたん、あっさりそれを捨てる会社
僕が前の会社でやっていた仕事は、ざっくりいうと「今工場で作っている部品を、もっと安価なものに切り替える」という内容の物でした。
どれくらい安くなるかというと、今工場で作っている部品のコストが一個1000円だとすると、新しい部品に変えると一個750円くらいで作れる…これくらいのイメージです
工場では毎日数百個単位の部品を生産しているので、これを安価なものに切り替えると、結構なコスト削減になるんですよね。
年間数千万~億単位の低減になる試算でした。 結構なインパクトです。
でも、「今生産で流している部品を、新しいものに変える」…
言うのは簡単ですが、とてつもなくハードルが高いことなんです。
・性能がしっかり出ているか
・危険だったり、環境に悪影響を与えたりする物質をつかっていないか
・連続で生産しても、不良とかでない?
こういったことを検証・証明し、生産してもらう工場側に納得してもらわないといけないんですよ。
ですが、やっぱりどこかしらに問題が出てしまったり、クリアできずに妥協してもらわないといけないところが多々出てくる。
工場側に納得してもらうのが、ものすごい難航してしまい、スケジュール通りに事が進まず遅れが出たり、停滞してしまうこと多々ありました。
そんな状況なものだから、担当者である僕は前の会社の上層部から、ことあるごとに詰め寄られ、大勢の前で罵倒されたものでした。
会社にどれだけの被害を出していると思っている! お前がやらないと会社はつぶれてしまうんだぞ!
遅れは許されないんだぞ! もっと早くやれ
まぁ、この部品に変えることが出来れば、年間数千万~億の効果が出るわけですから、上層部が躍起になる気持ちも分かります。
なので、「この仕事を他に振れる人もいないし、自分がやらないと会社が大変になってしまう」というプレッシャーも仕方がないのかな…と思いながら仕事していました。
ですが、僕がこの会社を辞め、このテーマを引き継ぐ人が居なくなったとたん、会社はあっさりとこのテーマを捨てました。
あれだけ、『遅れは許されない』とか『これをやらなきゃ会社はおしまいだ」とか、さんざん煽っておきながら、引き継ぐ人が居なくなったとたん、凍結されて消滅したんです。
やらないと、数千万~億円の損害が出て、会社潰れちゃうんだよね?
お客様に迷惑かけるんだよね?
だったら、別の担当者を即刻アサインして、継続してやるべきじゃないの?
なのに、そんなあっさり捨てるんかい。
担当者が居なくなったとたん、あっさり捨てるんだね
別に大した仕事じゃなかったんじゃん あの異常な叱責は何だったんだよ
呆れと憤りしか感じませんでした。
「自分が会社を辞めたら、会社が回らなくなってしまう」というのは、大ウソだったんです。
「自分が会社を辞めたら、会社が回らなくなってしまう」というのは自意識過剰
以前、僕は記事の中で尊敬している日野瑛太郎さんの書籍「定時帰宅」の一節を引用しました。
あなたがいなくたって職場は回る
「替えの利かない人材を目指せ」という言葉を良く聞きます。
「この仕事は、あなたでないとダメなんです」と言われると、自分が特別な人間になったような気がして嬉しくなってしまうものなのかもしれません。しかし、あえて言いますが、本当の意味で「替えの利かない人材」など会社員にはあり得ないのです。どんな優秀な会社員でも、しょせんは「組織の歯車」でしかありません。
不謹慎な例で申し訳ないのですが、あなたが突然不慮の事故遭い、亡くなってしまったとします。そのことにより、職場はどのような影響を受けるでしょうか?会社員が一人いなくなってしまったわけですから、多少の混乱はあるかもしれません。しかし、その混乱はずっと続くでしょうか?
あなたがやっていた仕事は、代わりに誰かに引き継がれ、混乱はいずれ元に戻るはずです。もしかしたら、あなたがやってきた仕事はそのまま誰にも引き継がれず、あなたが居なくなったのがきっかけになって消滅するかもしれません。それでも職場は問題なく回っていくでしょう。少なくとも、あなたが一人いなくなったぐらいで、会社が倒産したり社会に大きな影響を与えたりすることは稀です。
仮にあなたが一人いなくなったくらいで組織が崩壊してしまうような体制だったとしたら、責任はいなくなったあなたではなく、そのような脆いシステムを構築した経営者の方にあります。 あなたが責められるいわれはありません。
会社という組織が健全に機能するためには、社員は交換可能でなければいけません
替えの利かない人材は、会社にとっては悪です 「会社というシステム」自体が、会社員に「歯車」であることを要求しているのです。そういう意味で、あなたが居なくても職場は絶対に回るし、回らなければいけません。
「お前にいなくなられると困るんだ」という言葉は、お世辞にすぎないか、あるいは経営に問題があることを告白しているだけです。
「自分がいないことで迷惑がかかる」と日頃考えてしまっている人は、ある意味では自意識過剰以外の何物でもないことを知ると良いでしょう。
多くの会社では、社長ですら交換が可能です。社長ですら会社の部品なのですから、普通の社員一人の存在など会社全体から見ればお些末なものです。それなのに、過剰に責任を背負い込むのはアホらしいと思いませんか。歯車は歯車らしく、歯車の範囲で責任を果たせればよいのです
引用『定時退社』 著者:日野瑛太郎
日野さんの主張、バッチリ的中でした。
僕のやっていた仕事は、誰にも引き継がれずにそのまま消滅し、前の会社は今でものうのうと回っています。
なので、「自分一人が辞めることによって、組織が立ち行かなくなってしまうことはなかった」という日野さんの主張が、僕の実体験からも証明されました。
そもそも、それなりの規模の会社にも関わらず、一人抜けたくらいで潰れてしまうようであれば、運営やシステムが脆弱すぎて大問題だということ。
どのみち、組織が崩壊するのは時間の問題ですし、そんな組織にした原因と責任は、一社員である僕らにはないと思います。
「自分が会社を辞めたら、会社が回らなくなってしまう」というのはやっぱり自意識過剰な考えだったんですよね。
「自分が会社を辞めたら、会社が回らなくなってしまう」ことはないから、気にせず自分の人生を優先しよう
「自分が会社を辞めたら、会社が回らなくなってしまう」
こう考えてしまうのも、無理もないと思います。 気持ちは痛いほどよくわかります。
頼ったり助けてくれる人が周りに誰もおらず、上司やもっと上の経営層の重役たちに、
とか
…と、事あるごとに詰め寄られて、日々プレッシャーをかけられていたんですよね。
知らず知らずのうちに「自分の代わりはいないから、僕がやるしかないんだ!」という気持ちを、会社側に植えつけられてしまったんだと思います。
でも、あえて何度も言いますが「自分が会社を辞めたら、会社が回らなくなってしまう」というのは自意識過剰な考えです。
「会社というシステム」自体が、辞められると困るから、社員に「歯車」でい続けることを要求しているのです。
人一人いなくなっても会社は回るし、むしろ回らなければいけません。 それが会社(組織)というものだし、会社(組織)である利点だからです。
仕事を一生懸命やることは、もちろん大切。
責任をもって仕事をするという心意気は、とても素晴らしいこと。
でも、
「身体を壊しそうで、ホントはもうこの会社で働きたくないけど、組織に迷惑がかかるから辞められない」
「転職したいけど、自分がいなくなったら会社が回らなくなるからなぁ…」なんて思うのは、自意識過剰です。
何度も言いますけど。
一社員が辞めたくらいで、組織が回らなったり、会社が傾くなんてことは絶対にない。
過剰に責任を背負い込むなんて、実にバカバカしいではありませんか。
一社員は会社の歯車の範疇で責任を果たせればよいのです。
『やる人いないから、この業務やーめたっ!』で済んでしまうんですよ 意外と。
年間数千万~億円のインパクトのある僕の業務ですら、そんなザマだったんですから。
あまり背負い込まずに気にせず自分の人生と健康を優先しましょう。
まとめ
- 「自分が辞めたら会社(仕事)が回らなくなる」というのは大嘘だし、自意識過剰な考えである
- 辞められたら困る会社側からの刷り込みであり、やる担当がいなくなった仕事はそのまま消滅するだけ
- 辞める会社のことなんか気にせず、自分の人生を優先しよう
元同僚の連絡により、またモヤモヤしてしまいまいた。
「自分が会社を辞めたら、会社が回らなくなってしまう」と追い詰められてしまっている人も多いかもしれません。
でも、ある程度の規模の会社なら絶対にそんなことは無いから、自分の人生や健康を第一優先にしていただければと思います。
それでは、本日はここまで
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